出会い系で楽しむ
彼は渋谷のとある店を指定したが、私は電話での彼の説明をよく理解できなかった。
電報のような電話には、質問や反論を許す雰囲気もない。
まあ、なんとかなるだろうと、私は出かけートは楽しめても、長い時を一緒に過ごしていけるかどうかは、未知数だった。
Hさんはやさしいというよりは厳しく、おだやかどころか激しい人であった。
しかし、なんとかならなかった。
店は見つからなかった。
ぐるぐるぐるぐる、渋谷駅の周りを回りながら、私は焦りまくった。
携帯電話はまだ一般的でない時代である。
私はしかたなく、ハチ公の前で待ってみた。
ここなら、私が店を見つけられなかったことを彼が察して、来てくれるかもしれない。
しばらくすると、彼がやって来た。
私っていいカンしてるう、と鼻の穴がふくらみかけたが、近づいてきた彼を見ると、一気にしぼんだ。
彼は、ブリブリに怒っていた。
「やっぱり、ここにいたの」「ごめん。
店がわからなくて」「だったら、電話で言ってよ」彼とのデートになかなかブレーキがかからなかったのは、このように彼が、私と相性が悪そうなタイプだったからだと思う。
そそられるタイプでなく、相性もサッパリなんだから、本格的によろめく自分が想像できなかった。
作家の彼とは合わないな、と考えていたら、では、夫とは本当に相性が良かったのか、という疑問も浮上してきた。
結婚前のこんな会話を思い出した。
「小さい女の子は、好き?キライ?」「う〜ん、どっちでもない」「どっちでもないって、どういうことよ」「だって、女の子は、オレにはみんな小さく見えるよ。
160センチも150センチも、違いはよくわかんない」「ふつうは10分しか待たないよ」気の短い人であった。
出会い系だけあれば充分だと感じました。結局出会い系サイトが便利です。
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